現状の株高は「バブル」なのか? SNS上では極端な見方が散見(2/2 ページ)

» 2024年02月01日 08時34分 公開
[ZAKZAK]
ZAKZAK
前のページへ 1|2       

 現在の「株価という数字」がバブル期の「株価という数字」に近づいているというだけで、バブルだと騒ぐのはあまりにも滑稽である。1989年と2024年を単純比較することに意味がないことは容易に理解できるだろう。当時はネットが普及しておらず、誰もスマホを持っていなかった。社会が違うのだから、数字だけを比較して騒いでも意味はない。

 それでは、日経平均は今後も上昇し続けて史上最高値を突破し、4万円の大台を記録するのだろうか。前述のPERの時系列データを見てみると、日経平均のPERは異常値を除けばだいたい12〜16倍のレンジで推移しており、そろそろレンジの上限に近づいていることが分かる。4万円を目指すには来期も10%近い増益が必要で、そのためには今後の為替水準や賃上げに伴う強い内需などが重要となる。株式市場の展開を先読みするには、これまで以上にマクロ経済を注視することが求められる。

森永康平(もりなが こうへい)

 経済アナリスト。1985年生まれ、運用会社や証券会社で日本の中小型株のアナリストや新興国市場のストラテジストを担当。金融教育ベンチャーのマネネを創業し、CEOを務める。アマチュアで格闘技の試合にも出場している。著書に父、森永卓郎氏との共著『親子ゼニ問答』(角川新書)など。


前のページへ 1|2       

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.