現状の株高は「バブル」なのか? SNS上では極端な見方が散見(1/2 ページ)

» 2024年02月01日 08時34分 公開
[ZAKZAK]
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 日本株の強さが際立っている。日経平均株価は一時、1990年代のバブル経済崩壊後の高値を超えて3万6000円台を記録した。世界に目を向けても日本株は異様なほど強い。日経平均は年初来で既に7%以上も上がっているのに対して、米市場のダウ工業株30種平均は年初来で1%弱しか上昇しておらず、ドイツのDAXも同程度の上昇だ。中国の上海総合指数は2%弱下がっており、香港のハンセン指数にいたっては5%近く下落している。

 今年は年始から新NISA(少額投資非課税制度)が始まったこともあり、今後もこの株高が続くのかを気にしている人は多く、SNS上では極端な見方が散見される。

 1つは強気な見方だ。89年12月29日に記録した終値ベースでの史上最高値である3万8915円は通過点であり、年内に4万円を超えていくと予想するものだ。悲観的な見方もある。それは、現状の株高は「バブル」であり、そのうち崩壊するため、いずれ日経平均は暴落すると警鐘を鳴らしている。

 果たして現状の株高は「バブル」なのだろうか。株価が割高かどうかを判断する指標の一つに、株価を1株あたり利益で割って算出するPER(株価収益率)がある。現在の日経平均の予想ベースのPERは15.6倍。バブル期のPERは50倍を超えており、現在の株価水準がバブル期に近づいてきたとしても、指標の観点からは全く過熱感がないことが分かる。

 株価を1株あたり純資産で割って算出するPBR(株価純資産倍率)も見てみよう。現在の日経平均のPBRが1.38倍だが、バブル期は5倍を超えていた。PBRは一般的に1倍を下回ると割安水準にあることを示すが、やはり現在の株価に過熱感があるとはいえないだろう。

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