1月1日に発生した能登半島地震を機に「企業防災」(企業が行う自然災害への対策)の大切さを改めて実感した企業が94.9%──帝国データバンクがこのような調査結果を発表した。企業が改めて大切だと考えた防災対策として「飲食料備蓄」「連絡網の整備」が上位となり、4割近くに上った。
帝国データバンクは1月19日、同地震による企業活動への影響のほか、企業防災に対する意識についてのアンケート結果を発表した。同社の調査によると、能登地方に本社を置く企業は4075社に上る。今回の地震による自社の企業活動への影響の有無について「影響がある」と回答した企業は13.3%となり、「既に影響が出ている」が4.3%、「影響が見込まれる」が9.0%となった。
企業が受けた地震の被害について、「社屋の一部が崩壊した」といった直接的な影響から「材料が納入できなくなり、工期延長が発生した」など間接的な影響も見られた。現時点では影響がないと回答した企業についても、今後の仕入先の工場などの稼働状況がどうなるか不安だという声も上がった。
「影響がある(見込み含む)」とした企業の規模別割合については、「中小企業」は12.1%と全国(13.3%)よりも低くなった。一方「大企業」は20.1%と、全国を6.8ポイント上回る結果となった。
地域別の企業活動への影響については、被災地である「北陸」が43.2%と突出して高くなった。企業からは「人的、物理的被害は甚大であるが、震災による自粛・萎縮マインドにともなう地域経済活動の停滞も心配」などの意見があった。
企業として改めて大切だと考えた防災対策については「飲料水、非常食などの備蓄」が39.2%と最も多い回答が集まった。次に「社内連絡網の整備・確認」(38.3%)、「非常時の社内対応体制の整備・ルール化」(31.6%)、「非常時向けの備品の購入」(28.4%)と続いた。
調査は1月12〜17日、1225社を対象にインターネットで実施した。なお甚大な被害を受けた能登地方の企業にはアンケート要請を行っていない。
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