新時代セールスの教科書

「家庭の事情で営業活動に集中できず成果も上がらない」 社内で気まずくならない2つの方法営業コミュニケーション大解剖

» 2024年02月13日 08時30分 公開

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Q: 育児や介護などの家庭の事情で営業活動に集中しづらく、思うような成果が出せていません。周囲のメンバーに急なフォローをお願いしたり、上司に良い進捗報告ができなかったりと気まずい状態が続いています。日頃の社内での振る舞いや上司への進捗共有でどんなことに気を付けるべきでしょうか?

A: 近年、営業でもDXなどを活用したフレキシブルな働き方が増えてきています。育児や介護などの「家庭の事情」を抱えながら、営業活動との両立に取り組んでいる方はその典型でしょう。営業を続けやすい環境は徐々に整備されてきているとはいえ、やはり通常より成果を上げることは難しく、また、周囲にフォローを依頼する頻度も増えることから、チームメンバーとの関係を良好に保つ努力も必要になります。

 そこで重要なのが、日頃からどのような姿勢で業務にあたるか、また、どのように上司やメンバーとコミュニケーションを取るかという2点になります。それぞれ詳しく解説します。

家庭の事情で営業活動に集中できない……。社内で気まずくならないために、どんなコミュニケーションや姿勢を心掛けるべきか?(画像:ゲッティイメージズより)

(1)メンバーに闇雲に仕事を依頼している感をなくす

 例えば育児中の場合には、保育園の送迎や突然の体調不良での呼び出しなど、業務中断を強いられる用事が発生しやすくなります。そのたびにチームのメンバーにフォローを頼んでいては、面倒ごとばかり投げてくる人だと反感を買うかもしれません。

 また、上司に対しても行き当たりばったりだという印象を与え、真剣に仕事をしていないから成果が上がらないのではないか、と疑われる余地を与えてしまいます。

 こうならないためのポイントとして、急な用事で業務を抜けても後から自力で対応できるように、日頃からやるべきことをリスト化しておくことが大切です。そのうえで、リストに上げたタスクは妥協せずにやり切り、他のメンバーにはその中で緊急性の高いものだけ依頼するという姿勢を貫くようにすると、メンバーからは無闇に業務を投げているわけではないと理解してもらいやすく、また上司からはそれでも成果が上がらないならやむを得ないと許容されやすくなることが期待できます。

 こうした取り組みに対して周囲から一定の理解を得るためには、自分がどんな方針で業務を進めているのかを認識してもらえるように、予定や見通しを積極的に開示していくことも効果的です。「家庭の事情」がある場合には、過度な秘密主義は避けたほうがよいでしょう。

(2)「家庭の事情」の味方になってもらえるコミュニケーション

 (1)に加えて、日頃から自身の家庭での苦労についてこまめに共有するようにしておくと、いざという時の協力を得られやすくなるでしょう。ただし、愚痴だと受け取られる話し方や家族を悪く言うことは単に印象が悪いだけでなく、仕事でも身内を守らない、つまりチームメンバーを助けてくれない人なのではないかという疑いを持たれる可能性があることから、避けるようにしましょう。

 こうした話題を出すのは休憩時や、業務内なら雑談のタイミングが望ましいです。営業報告のような公式の場面ではどうしても言い訳がましくなるので、それ以前に上司にも伝わるように工夫しましょう。

 「家庭の事情」を抱えている場合、家で起きるトラブルに疲れて、本心から誰かに話を聞いてほしいと思う瞬間もあるかもしれません。それでも、職場で話すネタにする場合は、あくまでも仕事を円滑に進めるための方策なのだという意識を持って、冷静な自分を残しながらコミュニケーションを取ることが重要です。

筆者プロフィール:水嶋 玲以仁 グローバル・インサイト合同会社 創設者兼CEO

インサイドセールスの実務全般について、20年に及ぶ経験を持つ。そのうち16年間は、世界有数のIT企業でBtoB及びBtoCのインサイドセールス、営業チームの発展と管理業務に携わる。(Dell で7年、 マイクロソフトで6年、Googleで3年)。その後、JTB、NEC、ソフトバンクなど日本企業のコンサルティングの実績を持つ。著書に「インサイドセールス究極の営業術」(ダイヤモンド出版)「リモート営業入門」(日経文庫)「実践営業デジタルシフト」(日本経済出版)。


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