「SFAの入力が進まない」「導入はしたが営業DXができていない」「営業成績が上がっていない」といった、SFA導入に苦戦をする声は多い。
そこで、米国の先端企業がどのように運用をしているか、ベストプラクティスは何か、SFAと他のツールの組み合わせや棲み分けといった、SFAの最新事情と運用ノウハウについて解説したい。SFAについて社内で一歩進んだ議論ができるはずだ。
SFAの問題点は2つ。一つは入力が面倒くさいこと、もう一つは入力しても営業成績には直接つながらないことだ。SFAへの登録作業は地味で、社内メモをちょこちょこ残しているだけのようにも見える。
結果「こんな作業が何になるのだ? この時間でお客さまに連絡したほうがいいのではないか?」と、入力しない営業担当が出てきて、次第に形骸化していく。
米国ではすでに当たり前になりつつある、SFAの運用トレンドが「登録の自動化・自動入力」である。実は営業の基本行動は、ツールを工夫すればSFAに自動転記できる。
メールを送る、電話をする、オンライン商談をする、資料を送るといった営業の一連のアクションはデジタルデータに残すことが可能だ。例えば、以下のように連携できる。
このように営業の通常業務で用いるツールの選定と、データの自動登録の設定を行えば、営業担当が逐一入力をしなくてもSFAに自動でデータが貯まっていく。顧客の基本情報、顧客獲得ソース、メール履歴、電話履歴、オンライン商談履歴など、手入力不要なものはどんどん自動化するべきだ。
米国企業では、営業フローの中から自動的にデータが蓄積される仕組みを作るOps(オプス)という職種が誕生している。いわば営業企画だが、営業活動や営業接点のデジタル化を図るために営業業務を刷新する点が新しい。
オープンハウスグループは2022年に公開した「オープンハウスグループDX白書」の中で、自社の営業データ基盤に対して32のツールを連携して自動蓄積していると発表している。SFAをツール単体としてではなく、他の複数のツールと組み合わせて活用しているのだ。
新しい用語や考え方が増えると難しく感じるかもしれないが、実はSFAへのデータ連携の難易度は年々下がっている。今は、管理画面上で選択するだけで簡単に連携できるIpaaSというツールも出てきている。自社で導入しているSFAがIpaaSに対応しているか、一度見てみるといい。
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