では、東京東側の私鉄はどうか。まずは東武鉄道を見てみよう。
浅草駅近くには台東区立隅田公園、対岸には墨田区立隅田公園がある。亀戸線に寄り道すると亀戸水神近くに亀戸中央公園が。東武スカイツリーラインに戻ると、鐘ヶ淵から堀切にかけて緑地があり、獨協大学前の駅からは離れているものの、まつばら綾瀬川公園もある。
東武アーバンパークラインの岩槻には岩槻城址公園があり、大宮公園にはその名の通りの大宮公園がある。清水公園には、清水公園と野田市総合公園。スカイツリーラインよりもアーバンパークラインのほうが広々とした公園は多い。
最後に京成電鉄。京成上野には上野恩賜公園という大規模都市公園がある。町屋には荒川自然公園、公津の杜には公津の杜公園がある。どちらかというと、大規模公園の数は少ない。
東京東側の私鉄沿線には、いまいち公園が少ないように思える。小規模の公園はどの沿線にもたくさんあるものの、大規模な公園の不足が気がかりだ。
京急の東京寄りエリアのように、中規模公園を積極的につくるところもあれば、沿線の自然の豊かさゆえに公園がある京王線沿線や西武線沿線というのもある。
規模の大小はともかく、公園の充実具合は沿線生活のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)を考える指標としては重要なもののひとつだろう。
むろん、京急の横浜より先のように、沿線の自然が豊かであるがゆえに公園をつくれるケースもある。だが、元から公園が充実した沿線というのは、住環境としてはかなりよいのではないだろうか。
この記事は、『関東の私鉄沿線格差』(小林拓矢/河出書房新社)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。
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