苦難の末、ドライクリスタルの商品化が実現したわけだが、販売状況はどうだったのか。10月11日に発売して、わずか1週間で100万箱を突破。年間販売目標は150万箱を掲げていたが、発売してから約3カ月後には139万箱も売れた。目標の9割を超える数字をたたき出したのだ。
いきなりヒット商品の仲間入りを果たした要因として、玉手氏は「1つのブランドをプッシュするのではなく、新たなライフスタイルを提案した点を好意的に捉えてもらえたのでは」と分析。「通常、新商品をリリースした際に、メーカー側は『その商品だけをずっと飲んでほしい』という思想になりがちだが、ドライクリスタルに関してはそうではなく、『毎日の選択肢の1つとして提示していこう』と社内でも話していた」(玉手氏)
例えば月曜日に飲みたいものと、金曜日に飲みたいものが異なるといったように、その日の感情や体調によって、人の行動は変化している。気分や状況に合わせてドライクリスタルの選択肢もありだよね、といったことをテレビCMなどで提案していった。結果、多くの消費者に受け入れられたと見ているようだ。
ドライクリスタルの購買層を見ると、他のビール商品と異なり、若年層やライトユーザーの割合が高いことが挙げられる。普段あまりビールを飲まなかったり、これまでほとんど飲んでこなかったり、そうした人たちを囲い込めているようで、社内では「新市場の創造につながっている」と評価しているようだ。
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