「賃金改善」最も見込む業界は?帝国データバンク調べ(1/2 ページ)

» 2024年02月28日 08時00分 公開
[季原ゆうITmedia]

 急激な物価高などを踏まえ、所得増に向けた賃上げへの動きが活発化している。帝国データバンクは2024年度の賃金動向に関する企業の意識について調査を実施した。24年度、企業はどの程度賃金改善を見込んでいるのかだろうか。

photo 2024年度の賃金動向に関する企業の意識調査を実施した(画像はイメージ)

 2024年度、賃金改善を見込んでいる企業は59.7%だった。正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引き上げ)が「ある」と見込む企業は3年連続で増加となり、06年の調査開始以降で過去最高となった。

photo 賃金改善状況(見込み)の推移(出所:プレスリリース、以下同)

最も「賃上げ」見込む業界は?

 賃金改善の見込みがあると回答した割合を業界別で見ると、最も多かったのが「製造」(64.7%)だった。「運輸・倉庫」(63.7%)、「建設」(62.5%)が続き、24年4月から始まる時間外労働の上限規制に影響を受ける業界では特に昨年からの増加が見られた。

photo 賃金改善の見込み 2023年度と2024年度比較(業界別)

 企業規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」の全てで前回調査から賃金改善見込みの割合が上昇した。従業員数別では「5人以下」(41.3%)の企業が賃金改善を行う割合が低い結果となった。

photo 賃金改善の見込み 2023年度と2024年度比較(規模、従業員数別)

 賃金改善の内容は「ベースアップ」が53.6%と、3年連続で調査開始以降の最高を更新した。「賞与(一時金)」も27.7%と、前年よりも0.6ポイントの増加となった。

photo 賃金改善の具体的内容
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