「日の丸半導体」復活の切り札なるか 専門家「日本が勝負する“最後の機会”」(1/3 ページ)

» 2024年02月28日 13時44分 公開
[ZAKZAK]
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 日本の半導体戦略が加速している。政府は半導体受託生産の世界最大手「台湾積体電路製造(TSMC)」や国内半導体メーカー「ラピダス」などに巨額投資を行う。さらに「光半導体」など最先端の分野への投資を推進、米国や台湾など西側諸国とも連携を強め、主導権の獲得を目指す。中国を念頭に、安全保障の観点からも、「日の丸半導体」の復活は重要だが、世界的シェア復活の切り札となるか。

 TSMCは2月24日、熊本県菊陽町に第1工場を開所した。地元では工場関係者の通勤ラッシュやアルバイトの時給高騰、ホテルの建設ラッシュなどバブルにわき、経済波及効果は7兆円とも試算されている。

 政府は半導体について、2023年度までの3年間で総額4兆円の「異次元の支援」(与党重鎮)を打ち出している。先端半導体の国内生産拠点を確保するためにTSMCの誘致を第1段階に位置付けた。今後建設予定の第2工場を含めた総投資額は200億ドル(約3兆円)超となるが、このうち最大1兆2000億円を補助する見通しだ。

 北海道で次世代製品の量産を目指す国内メーカー、ラピダス支援を第2段階と位置付け、第3段階として開発支援するのが、NTTが2030年代に通信網として世界展開を目指す次世代通信規格「IOWN(アイオン)」関連の開発支援だ。

 経産省は先月、アイオンの要となる「光技術」を使用した半導体開発に約450億円を支援すると発表した。

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