「この人の給与をアップしてもいい」 会社がそのように感じる瞬間高賃金化(1/3 ページ)

» 2024年02月29日 07時00分 公開
[田尻望ITmedia]

 給与を上げるには、「経営者の問題」「幹部層の問題」「社員の問題」を一つひとつ解決する必要があります。そして最も重要なのが、給与を上げるための組織全体としての取り組みです。

 ここで重要なキーワードとなるのが、「仕組み化」「構造化」です。それは経営者のみならず、幹部層や社員も含め、全社一丸となって取り組むべき課題です。

 個人的にも組織としても仕事のやり方を「仕組み化」「構造化」し、自然に給与が上がる流れをつくらないと給与は上がりません。なぜなら、給与アップは組織自体にしっかりと安定的に収益を上げる仕組み、構造がないと成立しないからです。

自然に給与が上がる流れをつくらないと給与は上がらない(出典:ゲッティイメージズ)

 給与は会社としてずっと払い続けなければならないもののため、一人の社員がいくら短期間で大きく利益を上げても、会社は給与を簡単に上げられません。たまたま売り上げ1000万円の案件を獲得できた社員に対して、「おお、よくやってくれたね」と、インセンティブとして50万円支払うことはできても、「今後、月10万円ベースアップするよ」とは言えないのです。

 逆に「毎月確実に300万円、これまでよりも利益をあげてくれるのであれば、年俸を100万円アップする」「500万円利益を上げてくれるのであれば年俸を150万円アップする」といった形での給与アップはできますが、そうでない場合、簡単に給与を上げることはできないのです。

 つまり、会社は「その人が再現性をもって継続的に出し続ける価値」に対して給与を払っていると言えます。

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