3月に値上げが多いのは「加工食品」「菓子」「調味料」 値上げする品目数は?

» 2024年03月04日 05時00分 公開

 3月以降、食品値上げはどのように推移するのか。帝国データバンクが主要食品メーカー195社を対象に実施した調査結果を発表し、家庭用を中心に3月は728品目が値上げすると分かった。3503品目だった2023年3月との比較では8割減となった。

photo 帝国データバンクが3月以降の食品値上げ動向について調査 (提供:写真AC)
photo 月別値上げ品目数の推移(出所:プレスリリース、以下同)

 6月までの値上げ品目数は累計で5911品目だった。23年に値上げを予定していた品目が5000を超えたタイミングが22年11月だったのと比較して、3カ月ほど遅い。一方、4月は加工食品を中心に6カ月ぶりとなる3000品目超の値上げ予定があり、まだ値上げラッシュは収まっていない。

photo 各年1〜6月の「値上げ品目数」

 24年に予定する値上げの要因を前年同期と比較すると「物流費」(56.8%)は同水準、「円安」(31.8%)と「人件費」(23.0%)は前年を上回る水準だった。「原材料」(88.1%)は低下したものの、野菜・果物や畜肉価格の高騰が響き、値上げが継続する食品も多い。

photo 値上げ要因の推移

 3月に値上げする品目が最も多いのは、レトルト食品や冷凍食品など「加工食品」(407品目)。「菓子」(147品目)、「調味料」(66品目)が続く。菓子はチョコレート加工製品が中心で、砂糖の価格が上昇したほか、天候不順で不作だったカカオ豆価格の急騰も影響したとみられる。

photo 食品分野別の値上げ品目数

 足元ではスパイス製品や大豆、畜肉製品などで価格の上昇や高止まり傾向となっており、帝国データバンクは「早ければ5月以降、調味料類を中心にまとまった値上げが発生する可能性がある」とコメントした。24年全体の値上げは最大で1.5万品目前後と予想し、月平均では1000〜2000品目前後の値上げを予測している。

photo 実施ベースでの値上げ品目数の推移

 2月29日午前9時時点で、品目数と値上げは各社発表に基づき、価格据え置き・内容量減による「実質値上げ」も対象として分析・集計した。

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