「コンテナホテル」が郊外にどんどん増えて77店舗に 稼働率80%の理由は?気になる部屋の中(2/5 ページ)

» 2024年03月05日 15時23分 公開
[小林香織ITmedia]

「インターチェンジ」を軸に立地を選定

 デベロップ社は、07年の創業以来、トランクルーム向けのコンテナ事業やエネルギー事業を拡大させてきた。その後、さらなる成長を目指して17年にホテル事業に参入。主力はコンテナホテルだが、リゾートホテルやカプセルホテルも運営する。

 全国的に広がるR9は、1店舗につき40〜50のコンテナが並び、一つひとつが独立した個室となる。各部屋のすぐそばには駐車場が設けられている。

ブラックで統一されたコンテナホテル。駐車場は部屋数とほぼ同等に用意している

 縦にいくつも積むことが難しいコンテナをホテルとして展開するにあたり、「駅チカではなく郊外のロードサイドを立地に選んだ」と楠原氏は話す。

 「駅チカのビジネスホテルなどは、縦に伸ばして100〜150室を備えるところが多いのですが、R9はそういった仕様が難しく駅チカはコストに見合いません。そこで、40〜50の部屋の需要はあるけれど取り残されている場所として、ロードサイドに展開することにしました」

 立地を決めるにあたり、同社が主な指標としているのは、各自治体の全体の就業者数(そのエリアで働く人口)と飲食やホテルなどのサービス業に従事する就業者数のバランスだ。全体の従業員数に対して、サービス業の従業員数が同社の指標よりも少ない場合、ホテルが不足している可能性が高いという。

 そういった地域のインターチェンジを軸として、工業団地などの産業集積地への導線を考えながら立地を選定しているそうだ。

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