「コンテナホテル」が郊外にどんどん増えて77店舗に 稼働率80%の理由は?気になる部屋の中(5/5 ページ)

» 2024年03月05日 15時23分 公開
[小林香織ITmedia]
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レスキューホテルとして自治体からの期待も

 R9の強みは、他にもある。「移動しやすい」というコンテナの利点を生かして、災害時の避難所や仮設住宅、診察室としても活躍するという。これが全国の自治体から注目され、24年2月末時点で135の自治体と災害協定を締結している。

これまでにレスキューホテルとして計7件、約200台が出動した実績があるという

 さかのぼると、11年の東日本大震災の際に、デベロップ社は自社コンテナを使って仮設住宅とホテルを建設した歴史がある。その出来事がきっかけで、同社の岡村健史社長は、ホテル事業への進出を本格的に考え始めたそうだ。

コンテナホテルの国内初・建築モデルとして17年に誕生した「Casual Resort COFF Ichinomiya(カジュアルリゾートコフイチノミヤ)」

 その後、さまざまな試行錯誤があり、17年に国内初のコンテナ型モジュールによるホテルとして、「Casual Resort COFF Ichinomiya(カジュアルリゾートコフイチノミヤ)」を開業。翌18年に「HOTEL R9 The Yard」のブランドで、本格的にコンテナホテル事業を開始した。

 展望を尋ねると、24年は月2店舗ペースでの開業を予定しており、30年まで同様のペースで出店したいという。順調にいけば、30年までに約270店舗に拡大する見込みだ。

 国内のみならず海外からも注目されており、台湾やタイなどアジアでの展開も検討しているとか。コンテナの可能性は、どこまで広がるのか。

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