外国人は「ジブリパーク」を称賛するのに、なぜ日本人は「高い」と感じるのかスピン経済の歩き方(3/6 ページ)

» 2024年03月13日 07時16分 公開
[窪田順生ITmedia]

USJなどと比べると

 例えば、23年にとしまえん跡地にオープンした『ハリー・ポッター』のスタジオツアー施設(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター)も、ジブリパーク同様に作品の世界観に浸る施設だ。魔法のホウキに乗る体験ができるなどファンにはうれしいアトラクションなどもあって、入場料(休日)は大人6300円、小学生3800円。ジブリパークの「大さんぽ券プレミア」よりも安いのだ。

「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」施設内に再現した「ホグワーツ特急」と「9と3/4番線」(出典:ワーナーブラザース)

 もちろん、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」も同様に、ここに来たら子どもは絶対に魔法の杖を欲しがる。これが1本4600〜4900円なので2本買ったら1万円弱。さらに、記念撮影などで3000円ほどかかるので、総額はジブリパークとそれほど変わらない。

 そのため、としまえん跡地の施設にも「価格と内容が合ってない」「このカネを払うならUSJに行く」とSNSなどで文句を言っている人もいるが、それでもジブリパークほどではない。

 つまり、ジブリパークが利用者から「高い」「この内容でディズニー並みなんてあり得ない」とたたかれてしまうのは、「ジブリパーク=ジブリのテーマパーク」という誤った認識を広めてしまったことで、期待値のハードルをかなり上げてやってきた人々の落胆が激しいからなのだ。

 では、なぜこんな残念な「戦略ミス」をしてしまったのか。これもいろいろな見方があるだろうが、筆者は「県の公園事業」ということが大きいと思っている。

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