“あん”多すぎ天津飯と、超山盛り肉丼はなぜヒットしたのか ドンキ「偏愛めし」の月間売上が1億円を達成した背景(2/2 ページ)

» 2024年03月14日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]
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一時品切れになった商品も

 人気が高すぎて、一時期品切れになった商品もある(3月から販売を再開)。それは「欲望のままに作った厚切りロースのピラミッ丼」(646円)だ。食べ応えのある厚さにスライスした豚ロースを180グラム使用しているのが特徴。積み上げた肉がピラミッドに見えることから商品名に「ピラミッ丼」と入れている。考案した社員は「私自身、いつも焼肉弁当を食べているときに、肉が先になくなりご飯が余ることに涙しておりました」と説明する。

「欲望のままに作った厚切りロースのピラミッ丼」(646円)

 開発責任者は、ピラミッ丼について、総菜・弁当の中では比較的高価格帯だったことから、売れるかどうか不安要素もあったと振り返る。しかし、実際に販売してみると、肉の存在感や、ピラミッドのようなインパクトのある見た目が支持される結果となった。

 このピラミッ丼は高価格ということもあり、偏愛めしシリーズの販売金額では上位に食い込んでいる。

なぜ個性の強いブランドを開発したのか

 ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、2021年2月にプライベートブランドの「情熱価格」を大きくリニューアルすると発表した。

 背景にあったのは、情熱価格に、イオンのPB「トップバリュ」やセブン&アイホールディングスの「セブンプレミアム」ほどの認知度がなかったことだ。

 同社は、衣類や食品などで次々と個性的な商品を開発していったが、弁当・総菜に関しては手薄だった。そこで、質や価格だけで勝負するのではなく、とがった商品を投入することになった。

 偏愛めしを購入しているのはどういった人たちなのか。ドン・キホーテ、アピタ、ピアゴなどの加盟店で利用可能な電子マネー「majica(マジカ)」のデータを分析すると、男性が6割、女性が4割という結果に。全体的に男性が好みそうなメニューが多いので、やや意外な結果となっている。ただ、女性客の中には自分のためではなく、家族の分を購入している可能性もあるため、より詳細な消費者調査は今後行う予定だ。

新商品の「【R指定?】葉わさびポテトサラダサンド」

 課題としては、見た目のインパクトなどが理由で、一部の女性客から「買いにくい」との声が寄せられていることが挙げられる。そこで、新しく販売する葉わさびポテトサラダのサンドイッチの開発担当者に女性を起用するなど、客層の拡大を狙っている。

 ドンキの意欲的な総菜・弁当シリーズは、利用客のさらなる支持を得られるか。

ころもが主役のチキンカツ弁当(新商品)
大量のにんにくが入ったチキン弁当(新商品)
ビールと一緒に味わうニラ(新商品)
大量の唐辛子を使用したペンネ(新商品)
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