卵を使わずマヨネーズを再現 キユーピーがこだわった「本物の味」の正体（1/3 ページ）

[菊地央里子，ITmedia]

　キユーピーがプラントベース（植物由来）フード事業に力を入れている。2023年3月にプラントベースフードを展開する新ブランド「GREEN KEWPIE」を立ち上げ、現在は市販用7品と業務用2品、合計9品を展開中だ。新ブランド誕生の経緯を、プロジェクトリーダーの綿貫智香氏に聞いた。

キユーピーの新ブランド「GREEN KEWPIE」（同社提供、以下同）

　GREEN KEWPIEが誕生するきっかけになったのが、21年6月に発売した「HOBOTAMA」だ。豆乳加工品をベースに卵を使用せず、シェフが手作りしたスクランブルエッグのような見た目と食感を再現。卵アレルギーの人に向けた、同社初のプラントベースフードだった。

HOBOTAMAで作ったニラ玉

　業務用として飲食店やホテル向けに販売したところ、卵アレルギーの当事者やその家族から反響があった。「弊社の問い合わせ窓口に、電話やメールで『どこに行ったら食べられるのか』『市販しないのか』といった声を多くいただきました」（綿貫氏）。こうした声を受けて、22年3月に市販用の「HOBOTAMA 加熱用液卵風」（参考小売価格214円）と「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」（同224円）の通信販売を開始した。

HOBOTAMA 加熱用液卵風

HOBOTAMA スクランブルエッグ風

　HOBOTAMAは当時、ノーブランドの商品だった。HOBOTAMAへの想定以上の反響から、プラントベースフードを包括する新ブランドの立ち上げを検討し始めたという。

HOBOTAMAで作ったカスタードプリン

　ブランド化の理由について、綿貫氏は「プラントベースフードの知名度は、まだまだ高いとは言えません。そうした状況下での商品展開を考えると、消費者が認識しやすいように新ブランドを作るべきだと考えました」と説明する。約1年の検討期間を経て、プラントベースフードの新ブランド「GREEN KEWPIE」が立ち上がった。