富士山登山鉄道は必要か? 敷設構想で「賛成」「反対」の声(1/4 ページ)

» 2024年03月21日 15時52分 公開
[産経新聞]
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 富士山の山梨県側の麓から5合目までを結ぶ富士山登山鉄道構想を巡り、旗振り役の山梨県と、反対する地元の富士吉田市の対立が激化している。同市の堀内茂市長は近く発足する登山鉄道反対の市民団体に相談役として参画する考えを示しているが、長崎幸太郎知事は「反対は富士吉田市だけ。ほかの周辺自治体は賛同している」と繰り返し、互いに譲る気配はない。

photo 山梨県が推進する富士山登山鉄道のイメージ(県提供)

全国規模の署名活動も

 「反対しているのは富士吉田市だけと知事はいうが、(多くの反対意見がある)現実を知ってもらうことが大事だ」

 堀内氏は4日の定例記者会見で、登山鉄道反対の市民団体の狙いを説明した。団体発足のきっかけは山小屋や登山ガイド、5合目の売店、神社などの地元関係者や周辺自治体など15団体が参加し、富士山の課題について議論した2月16日の意見交換会だ。

 県の登山鉄道の担当者も出席していたが、堀内氏は「自然を守ることや(富士山の地質などから)鉄道は構造上難しいことなどを理由に、反対論が大勢だった」と指摘する。

 反対の立場の市民らは、インターネットを使った全国規模のアピールや署名活動などで、県への反対要望書提出につなげる考えで、堀内氏は「業界団体や県外からの参画も促したい」と意気込む。

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