これには、魚の商品特性が関係しているといえるでしょう。鮮魚は現在でも生の冷蔵品が多く、日々入荷状況や品質が変わりやすい商品です。モノは別の場所に置きつつ、商談だけを行うという話は、日々品質が変わらないからできる話でもあります。
ここで、「画像や動画での通信を行えばできるのでは?」と思う方もいらっしゃることでしょう。しかし、それでも細部の様子や微妙な色の違い、匂いなどの視覚以外の情報はやり取りしにくいところがあります。魚は日々変わる繊細なものだからこそ、日々、人の五感できちんと確認する必要があるのです。
このことが、物流と商流を切り離せなくしています。その結果、魚も人も一緒に集まってくるというわけです。
もちろん、今後、日々変わらない規格化された魚が増えてくれば、物流と商流を切り離して構築することも可能となってくるでしょう。そのカギを握るのは、冷凍魚や養殖魚、加工品といった定常を保てて量産できる水産品です。
ただ、それらばかりにあふれ、生の鮮魚がなくなってしまっては、日本の魚食文化の魅力は落ちてしまします。
そうならないためにも、豊洲市場のような魚市場は重要な役割を果たします。魚市場は、日本の素晴らしい魚食文化を守っていく役目も担っているのです。
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