さらに、この公設市場はその性質によって「産地市場」と「消費地市場」に分かれます。
「産地市場」は、産地で生産されたものを流通させる施設、「消費地市場」は、消費地に集まってきたものを流通させる施設です。
例えば、関東の大きな漁港に銚子漁港がありますが、銚子の市場は「産地市場」ということになります。また、漁師が獲った魚は、産地市場の仲買から、消費地市場の卸に渡り、流通していく流れがオーソドックスです。
これに対し、築地場外市場の「市場」は、法的根拠があるわけではなく、場所を指します。いわば、商店街やショッピングモールに近いイメージで、「お店が集まった場所」と捉えると分かりやすいです。
では、今の築地場外市場は、どのような状況なのでしょうか。
豊洲市場の移転後に、築地に店舗を構えるいくつかのお店に聞いたところ「移転前とそれほど変わらない」という声が聞こえてきました。さらには、「買出人から、『場内がなくなって街がコンパクトになった分、時間が掛からず便利になった』と言われた」という話も聞かれました。これらは、観光客向けではなく、純粋にプロ向けに商売を行う人たちから多く聞かれたことです。
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