豊洲市場移転の際、「築地がなくなる」という声を耳にしたことがある方もいると思います。
これは大きな誤解です。移転の対象は、東京都の施設である「築地市場」(いわゆる「場内」)であって、築地の街やそこにあるお店(いわゆる「場外」)が移転するという話ではないからです。
また、市場移転の際には、「築地場外市場は移転しません」というメッセージが、築地の街に掲げられていました。そして、今でも築地場外市場は移転せずに残っていて、営業が続いています。
ここからは、この築地場外市場を元に、市場の種類や豊洲市場移転とは何だったのかについて述べていきます。
まず、豊洲市場と築地場外市場の市場は意味合いが違います。豊洲市場は、東京都が運営する流通拠点施設を指します。一方で、築地場外市場は、店が立ち並び売り買いをする場所です。一言に「市場」といっても表すものはさまざまです。それらについて整理しましょう。
豊洲市場のように公的な団体が運営する「市場」は、公設市場となります。このときの「市場」は流通拠点としての施設を指し、卸売市場法が設置根拠となっています。
公設市場は大きく、国が許可をして開設される「中央卸売市場」と、都道府県が許可をして開設される「地方卸売市場」に分かれます。
このうち、豊洲市場は中央卸売市場にあたり、正式名称は「東京都中央卸売市場豊洲市場」となります。地方卸売市場の例では、川崎南部市場(川崎市地方卸売市場南部市場)などがあります。
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