マクドナルドの戦略はどうなの? 国内ハンバーガー業界を分析ビジネスフレームワークの教科書(2/6 ページ)

» 2024年03月28日 08時15分 公開

国内ハンバーガー業界の事例

 この2つのフレームワークを使う際は、最初にポーターの基本戦略を検討して、自社の市場の中でのポジションを明確にします。

 そのうえで、コトラー&ケラーの競争地位別戦略を用いて、同業者グループの中の自社とライバルを、量的経営資源と質的経営資源で分類し、自社の中期的な競争戦略を具体的に検討します。

 ここでは日本国内のハンバーガー業界を例に、コストリーダーシップ戦略で成長を続ける国内1位のマクドナルド(店舗数・売上ともに国内1位)、2位のモスバーガー、その他ロッテリア、ファーストキッチン、ラッキー・ピエロ、クア・アイナを対象に考えてみましょう。

基本戦略:コストリーダーシップ戦略

 マクドナルドが東京・銀座に第1号店を出店したのは1971年です。日本での創業以来、マクドナルドは店舗を増やし続け、店舗数は2965店、売上高が3523億円、営業利益が338億円(2022年末時点)に達します。

(画像提供:ゲッティイメージズ)

 都市部の繁華街やターミナル駅前などの好立地に大型店舗を構え、多くの集客を獲得して低価格多売で高収益を上げるファストフードの典型的なビジネスモデルです。

 マクドナルドは、製造の段取りや作り置き個数、レジ対応といった店舗オペレーションの洗練を図り、短時間で顧客に製品を手渡すための、他社には真似できないシステムを構築しています。

 ポーターの基本戦略における、マクドナルドの戦略は「コストリーダーシップ戦略」です。

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