マクドナルドの戦略はどうなの? 国内ハンバーガー業界を分析ビジネスフレームワークの教科書(5/6 ページ)

» 2024年03月28日 08時15分 公開

競争地位別分析:リーダー(市場全方位)

 マクドナルドは日本全国、子供からお年寄りまで、全市場をターゲットにしており、国内の店舗数で他の企業を大きく引き離しています。

 テレビCMや屋外広告を使った大規模キャンペーンによって認知度も高く、日本では知らない人がいないといっても過言ではありません。

 マクドナルドは、リーダーとして自らが市場自体を大きくしながら、最大シェアを取り続けています。近年では本格的なローストコーヒーやケーキを出すカフェ分野にも進出し、リーダーとして事業拡大を行っています。

競争地位別分析:チャレンジャー(差別化)

 日本市場で2位のモスバーガーは、リーダーに対するチャレンジャーです。ポーターの基本戦略で見てきたように「厳選素材」や「作り立て」といった差別化を行いながら、近年ではヴィーガン向けの肉を使わないハンバーガーを発売するなどして、店舗に行かなければ手に入らないような製品の開発に力を入れることで固定客の獲得に成功しています。

競争地位別分析:ニッチャー(集中)

 クア・アイナは、少数店舗ながら、店の雰囲気やメニューにこだわり、一定のファン層を獲得していることからニッチャーといえます。量的経営資源である「店舗数」はリーダーの100分の1ですが、他社にはないブランド力と独自性を確立しています。

 ニッチャーは、対象の狭い領域においてリーダーになることで、競争優位性を維持できるといわれています。なお、このセグメントには近年、米国発のハンバーガーブランド「シェイクシャック」のような独自性の高い企業が参入しているため、独自ブランドでどれだけ顧客とのエンゲージメントを強くできるかが生存の鍵になります。

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