佐川急便は積み降ろしで革新的車両 物流業界「2024年問題」を変革の好機にできるか(1/3 ページ)

» 2024年03月30日 07時30分 公開
[産経新聞]
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 4月からの時間外労働の上限規制導入によってトラック運転手不足が深刻化する「2024年問題」。法施行から5年の猶予期間があったが、問題の根底にある「長時間の荷待ちや荷役作業」や「低賃金」などの改善に向けた取り組みは道半ばだ。荷主優位の業界構造の見直しなど課題は山積している。

荷役の重労働なくす

 東京都江東区にあるSGホールディングスの物流センター「Xフロンティア」。荷物を積んだ佐川急便のトラックが到着すると、後方のコンテナ部分から足が降り、車体が前進して切り離す。車体は次に別のコンテナ下に潜り込んで装着を完了すると、再び走り出した。

 この間、15分ほど。佐川急便のトラックは荷物を手作業で積み降ろしする「手積み」方式なので本来は2、3時間かかるが、このスワップボディ車両を使えば、運転手は荷役の重労働がなくなり「女性運転手の活躍も期待できる」(担当者)。全国で走っているのは280台で、今後は年25台ずつ増やす。物流の現場では、2024年問題を見据えた効率化の取り組みが着々と進む。

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