60歳の「神戸ポートタワー」が生まれ変わった 集客力を高めるために“仕掛け”あり屋上デッキを開放(2/4 ページ)

» 2024年04月26日 09時30分 公開

展望フロアのコンセプト

 4月23日、メディア向けに公開された内覧会では、「展望フロアで年間45万〜60万人の入場者数を目指したい」という目標が語られた。コロナ禍前の来場者数が33万人だったことを踏まえると、不可能な数字ではない。

 展望フロアの運営を担うフェリシモの経営企画室 広報部部長の吉川貴志氏は、「ポートタワーに登ったのは一度だけ、あるいは登ったことがないという方もいる。今後は、いかにリピートしていただくかを考えていきたい」と語る。

photo 低層フロア1階のインフォメーション

 入場者数を増やすために、どんな仕掛けを用意しているのか。インバウンド対策も欠かせない要素のひとつだ。関西圏の訪日外国人数を見ると、京都や大阪に比べて兵庫は少ないが、今回のポートタワーのリニューアルを皮切りに、5月には神戸市で「世界パラ陸上」を開催し、6月には「須磨シーワールド」(神戸市須磨区)を開業するなど、観光関連での需要喚起が期待されている。

 コロナ禍で激減したクルーズ船による訪日も、徐々に回復傾向にある。国土交通省港湾局が発表した2023年の訪日クルーズ旅客数と国内港湾へのクルーズ船寄港回数を見ると、神戸港は91回(前年57回)だった。「ポートタワーも寄港地の目の前にある。乗船客の観光地として選ばれるように神戸市とも協力していきたい」(吉川氏)

 また、今回のリニューアルで夜間の営業時間を従来から2時間延長し、午後11時までとした。「ナイトタイムエコノミーの観点からいうと、地方の観光地では夜を楽しむところがまだ少ない。昼も夜も楽しんでほしい」という狙いだ。

photo 低層フロア1階のチケット売り場

 フェリシモは、展望フロアのコンセプトとして「brilliance-赫き(かがやき)-」を掲げている。「神戸ポートタワーが赫(あか)く輝くと同時に、訪れた人が輝きを増すような仕掛けを随所に散りばめた」という。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.