あらためて、“インバウン丼”という話題が先行した千客万来ではあるが、実際に足を運んだ結果、決して高級商品ばかりが並ぶ、訪日客に特化した施設ではないと分かった。
むしろ2階のイートイン店舗では“ちょい飲み”する日本人も散見されたし、海鮮バイキング いろはのように国内団体客の受け皿となる店舗もあることから、現状は日本人の利用の方が目立つように感じる。むしろ江戸風の、海外から見たら「ザ・日本」といった情緒あふれるしつらえに加え、無料でそこそこ高速なWi-Fi、メニューの外国語対応や幅広い決済方法といった訪日客向けのサービスが充実していながら、ポテンシャルをまだ生かし切れていないのではないか。
同様の観光地として思い付く築地であれば、銀座や日本橋が徒歩圏にあり、そもそもの歴史が長いことから地名のブランド力もある。そこと比較して、豊洲はまだブランド力が弱く、施設を含めたエリア全体の魅力も発展途上だ。国内外を問わず、千客万来がさらに人気を集める上では、まだまだ課題も山積していると感じた現地取材だった。
フリーライター・編集者。熱狂的カープファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。
Xアカウント→@kitoyudacp
“インバウン丼”と呼ばないで――1杯1万円超の海鮮丼が話題の豊洲「千客万来」、運営企業が漏らした本音
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