マイナビバイトによると、同プロジェクトは「多くの従業員にとって隠れた悩みの種になっている」という立ちっぱなし問題を解決するのが目的だそうです。従業員・企業双方にとっての快適な労働環境を整備していく取り組みとのこと。
アルバイトが立ちっぱなしで働き続けることで起きているさまざまな問題について、同社は独自に調査を実施。結果を踏まえて「座って仕事をしても良いのではないか」と提案しているのです。
同社の「パート・アルバイトの接客中の立ち仕事に関する調査」によると、座り接客が許されているアルバイトは23.3%。椅子に座れないことで「集中力が落ちてミスが起きた」「笑顔で接客できなくなった」といった声も聴かれます。また、19.7%の企業が、立ち仕事による肉体的な要因でアルバイトが退職した経験があるとのことです。
座って接客をしても良いと思っている企業は73.3%もいます。では、なぜ許可しないのでしょうか。理由の1位は「お客さんからの印象の悪化を防ぐ」(33.8%)、次に多いのが「なんとなく・特に理由はない」(25.6%)です。明確な理由がないままに、アルバイトが立ちっぱなしになっていることが分かりました。これが日本の小売業の実態です。
今後の雇用確保の面からも、立ちっぱなし問題の解消は必要不可欠といえます。そこでマイナビバイトでは、椅子の製造販売を行うSANKEI(三重県鈴鹿市)と「マイナビバイトチェア」を製作。ABC-MART、ドン・キホーテ、大垣書店、コレド日本橋などで試験的に導入してもらうことで、どのような効果が見られるかを試しています。
2024年5月時点で、6社35店舗に約100脚の椅子を設置しています。一部報道によると、飲食や小売りを中心に120社以上から問い合わせがあるとのことで、多くの企業が立ちっぱなし問題に対して課題感を持っていたことが分かります。数多くの企業に座りレジが広がる可能性が出てきました。
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