日立のLumadaが他社の類似のサービスと大きく異なるのは、ITとOTが連携したソリューションであることだ。広瀬氏自身も、Lumadaのソリューションを他の部門と一緒に開発していくことに面白さを感じている。
「ITの仕事だけだと、動いているものを見ることはほとんどありません。でも、OT系の人たちと一緒に社会インフラのソリューションに関わることには、新たなチャレンジができる面白さがあります。産業用コンプレッサーを外から管理することなどは、ITの知識だけではできないことですから」
広瀬氏は「もちろん、その分難しさもあります」とも話す。
「OT系の人と話していると、知らない単語も多いので、慣れるのには大変な面があります。でも、そういう仕事をやりたい人が集まっていることが、Lumadaを今後も進めていく上では大きなプラス要素だと思っています。ITのビジネスは、競合他社となかなか差をつけられません。Lumadaが他社と差別化できているのは、ITだけでなく、OTを含めて連携したソリューションだからです。Lumada事業が、今後も成長のドライバーになっていくのは間違いないでしょう」
Lumada事業が今後もグローバルで成長していくために、鍵を握っているのがGlobalLogicだ。次回は、GlobalLogicとの合流が日立をどのように変えたのかを見ていきたい。
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田中圭太郎(たなか けいたろう)
1973年生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学専修卒。大分放送を経て2016年4月からフリーランス。雑誌・webで大学問題、教育、環境、労働、経済、メディア、パラリンピック、大相撲など幅広いテーマで執筆。著書に『パラリンピックと日本 知られざる60年史』(集英社)、『ルポ 大学崩壊』(ちくま新書・筑摩書房)。HPはhttp://tanakakeitaro.link/
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