生成AIでデジタル戦略はこう変わる AI研究者が語る「一歩先の未来」
【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)
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【概要】元・東京大学松尾研究室、今井翔太氏が登壇。
生成AIは人類史上最大級の技術革命である。ただし現状、生成AI技術のあまりの発展の速さは、むしろ企業での活用を妨げている感すらある。AI研究者の視点から語る、生成AI×デジタル戦略の未来とは――。
リーマンショック後の巨額赤字を経て「脱・製造業」に舵を切り、グリーン、デジタル、イノベーションを軸にしたグローバル企業として再成長を遂げた日立製作所。その原動力となっているのが、独自のビジネスモデル「Lumada」だ。同社はLumadaによって顧客のデータから新たな知見を引き出し、経営課題の解決や事業成長への貢献を図っている。
Lumada事業のさらなる成長のため、2021年にはデジタルエンジニアリングやアジャイルでのソフトウェア開発などに強みを持つ米GlobalLogicを約1兆円で買収。日立グループのIT、社会インフラの制御・運用技術のOT(Operational Technology)、そしてプロダクトの力をフルに使って「One Hitachi」で、グローバルでの成長を加速している。
一方、日本国内では2022年4月にGlobalLogic Japanを新たに設立。今後デジタル領域の成長が見込まれる日本市場をターゲットに、企業のDXを推進するサービスを展開している。
好業績でまい進する企業や、自己変革を通じて成長の芽を作った企業の裏側を深掘りしていくシリーズ企画。伝統と歴史を持つ企業は、いかにして組織変革を成し得たのか。改革の中でどんな壁が立ちはだかり、どのように乗り越えたのか。第1弾は日立製作所の取り組みを追う。
4回目: “1兆円買収”で日立はどう変わったのか
本記事:日立とGlobalLogic Japanが推進する日本企業のDX
日立が再成長を果たした裏側に迫る連載の第5回目は、GlobalLogic Japanのデジタルエンジニアリングエバンジェリストの後藤恵美氏に日本市場での今後の展望を聞いた。
GlobalLogicのDXサービスを日本の企業に提供することで、国内のデジタルエンジニアリングのリーディングカンパニーを目指そうと、買収が完了した2021年7月から1年足らずでGlobalLogic Japanが設立された。
拠点となっているのは東京・丸の内にある協創施設のLumada Innovation Hub Tokyo。顧客はもちろん、業界の枠を超えたパートナー企業をバーチャルとリアルでつなぎ、知恵やアイデアを掛け合わせることによって価値創出の活性化を図っている。GlobalLogic Japanの体制を後藤氏は次のように説明する。
「GlobalLogicの従業員はグローバルで約3万人いて、GlobalLogic Japanに所属しているのは数十名規模ですが、日立側も含めると実質100人くらいです。日立側はGlobalLogic関連のビジネスを担当している部隊や、デザイナー、データサイエンティストなどが、顧客の案件に一緒に取り組んでいます」
後藤氏は日立で金融機関の大規模アプリケーションの開発を長く担当してきた。携わってきたのは主にウォーターフォールでの開発だった。日立がGlobalLogicを買収することが決まってからコラボレーションを進めていく中で、GlobalLogic Japanの事業計画を策定。GlobalLogic Japanが立ち上がったあとはStrategy & Deliveryの本部長を経て現職を務めている。
日立は社会インフラ事業に強みを持つとともに、IT部門では後藤氏自身も携わっていた大規模アプリケーションの開発などが主流だった。後藤氏は、GlobalLogicと合流する前には課題もあったと振り返る。
「GlobalLogicは何か製品を持って回っている会社ではありません。あくまでも顧客が必要としている価値向上を実現するための仕組みを持っている会社で、仕組みとしてのサービスをいろいろと準備しています。もちろん日立の開発部門でも、従来からマイクロサービスをはじめとする新たな取り組みをしていました。AIやデザイン、新たなテクノロジーの領域も基礎研究から実施まで全て実行していて、GlobalLogicにできることが日立に抜け落ちていたとは思っていません。ただ、試作開発に入る前段階のPoC(Proof of Concept=概念実証)が多かったのは事実です。日立グループ全体の顧客の要望に応えるためには技術者ももっと必要な状態で、ビジネスとしての成長になかなかつなげられていませんでした」
そこにアジャイルによってスピードある開発を進めるGlobalLogicが合流した。後藤氏は合流によるメリットを「日立グループを底上げした」と表現する。
「GlobalLogicは開発のスピードも速く、どのクラウド上でもアプリケーションを作ることができるフレームを生み出すなど、新たな技術をいち早く取得することにも長けています。さらに、世界各地で3万人ものデザイナーやエンジニアが活動していて、グローバルで知見を有している企業です。この強みはGlobalLogic Japanの立ち上げとは関係なく、日立としてもどんどん活用させてもらっていて、GlobalLogicが日立グループ全体をぐっと底上げしたと私は思っています」
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