湖池屋“究極のポテチ”が好調 まずは「安さ」からの決別、その後どうなった?おいしい芋→おいしいポテチ(2/3 ページ)

» 2024年06月11日 05時30分 公開

国産じゃがいものブランド化を目指す

 高付加価値戦略を推進している一方で、創業当時から変わらないこともある。それは「国産じゃがいも100%」へのこだわりだ。

 農林水産省によると、全国的にじゃがいもの作付面積(田畑に作物を植え付けた面積のこと)は、他作物への転換や生産者の高齢化などで減少傾向にある。さらに、100年前に投入された品種が現役で使われるなど、じゃがいもは米やイチゴのようにブランド化が進んでいない。この現状に対して湖池屋は、ある取り組みを開始する。

photo 国産じゃがいものブランド価値向上を目指す「KOIKEYA FARM」プロジェクト

 それが「KOIKEYA FARM」プロジェクトで、「おいしいじゃがいもだから、おいしいポテトチップスになる」という思いのもと、原料となるじゃがいもを育む畑から商品になるまでの過程をトータルコーディネートする取り組みだ。

 同プロジェクトのブランドマネージャーを務めるマーケティング部の矢野匠さんは、「国産じゃがいもの価値向上を目指している」と語る。

photo オリジナルブランド芋を日本の土壌で育成

 湖池屋のポテトチップスに“適した”じゃがいもはどれか。海外に足を運んで星の数ほどある種類から見つけ出し、それを日本の土壌に合うよう育てていく。日本でポテトチップスに加工できるまで、おおよそ4世代は育成する必要があるという。

photo ポテトチップスの製造風景

 時間と手間のかかる作業を繰り返した結果、湖池屋だけのオリジナルブランド芋を使用したポテトチップスが誕生した。「消費者にダイレクトに伝わるのは『味』。そこに、とことんこだわった。オリジナルブランド芋を使用していることが買う理由となれば、売り上げや認知率に応じて農家の方々へも還元できる」(矢野さん)

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