この重炭酸温浴法と全国の温泉・入浴施設にある人工炭酸泉は、厳密には同じものではない。同社の公式Webサイトによれば、重炭酸湯はただ単に炭酸ガスを溶け込ませたものではなく、ドイツに多い天然炭酸泉と同じく「重炭酸イオン」が溶け込んでいるものだという。
しかし、表面的に見れば「気泡がたつぬるま湯にゆったりと15分くらいつかる」点では同じだ。ならば“意識高い系”の人たちも人工炭酸泉にそんなに悪い感情は抱かないだろう。
もちろん、ベストなのはドイツの温泉保養地「バーデン・バーデン」や大分の長湯温泉にある天然炭酸泉に入ることだし、経済的に余裕があれば、ダルビッシュ投手のような重炭酸温浴法を実践することだろう。だが、そこまではできないけれど効果のある入浴法を実践したい人にとって、人工炭酸泉はコスパの良い選択肢になるのだ。
ただ、人工炭酸泉の人気が高まっている最大の原因は(3)の「『サウナで整えない』高齢者の増加」ではないかと考えている。
人工炭酸泉に長くつかっている人たちを観察していると、年齢層が高めであることに気付く。休日などで浴場全体には子どもや若者が多くいても、人工炭酸泉は中高年に偏っているのだ。
もちろん、若い人もつかるのだが比較的、短時間で出て人気の高いサウナや、熱めの源泉風呂などに移動する。それと比べて、シニアの方から筆者(アラフィフ)のような中高年世代は一度、人工炭酸泉につかると腰が重くなる。炭酸ガスが溶けているという性質上、「ぬるま湯」なのでかなり長くつかっていられることもあるが、沼のようにハマってしまう。
なぜこうなるのかというと、1つには「サウナや高温風呂でゆったりできない」ことがある。
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「のれる扇風機」想定外のヒットで完売 銭湯の脱衣所に着想Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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