筆者も若い時はサウナに20分ほどいて冷水にザブンと入る。これを2〜3ターンするのは当たり前だったが、この年齢になるとつらい。人間ドックで血管系の数値も悪いので、サウナに20分も入れば心臓もバクバクだ。そこで冷水につかったら「ととのう」前に「お迎え」がきてしまいそうだ。
先月、サウナーから「聖地」とされる首都圏の某入浴施設に行った時も、筆者と同世代くらいの男性がアウフグース(蒸気をタオルなどで仰ぎ、熱風を送る)中で気分が悪くなったとかで倒れていて、救急車で搬送されていった。
こういう「サウナでととのうことができない高齢者」や「サウナが若い時よりもちょっとキツくなってきた中年」にとって、人工炭酸泉はゆったりとくつろげる「オアシス」となっているのだ。
源泉風呂よりもぬるく、しかも血管拡張や血流改善があると言われている。しかも、あそこでダラっと体を投げ出していると、すごくリラックスできて夜もグッスリと眠れる。これは筆者の個人的な感想ではなく、科学的にも証明されている。
例えば2023年、秋田大大学院医学系研究科の上村佐知子准教授と筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の神林崇教授、米スタンフォード大学医学部、同大学睡眠・生体リズム研究所の西野精治教授が発表した研究によると、二酸化炭素が溶けた「炭酸泉」に入ると深い睡眠が取れるという。
人工炭酸泉に入った人は深部体温が40度近くに上昇し、その後、36度台前半まで急降下した。深い睡眠の時に出る脳波「デルタ波」も多く出ていたという。
ご存じのように、日本は世界でトップレベルのスピードで高齢化が進んでいる国だ。2024年は人口が多い「団塊ジュニア世代」が50歳を迎えたことで、「50歳以上の人口が5割を超える国」になると言われている。さらに2025年になると、人口の4分の1が後期高齢者となるとの予測もある。
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「のれる扇風機」想定外のヒットで完売 銭湯の脱衣所に着想Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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