突如として起きたニコニコ動画のサービス停止によって、普段当たり前のように利用していたユーザーはその価値を再認識しているのも事実だ。YouTubeにはないオタク向けのコンテンツや動画、特有のアングラ的な雰囲気を持った生配信などの存在が、唯一無二の価値を持つと再認識されたのではないだろうか。
この現象は心理学的にも根拠を求めることができる。「希少性の原理」と呼ばれる、人々は手に入りにくくなったものをより高く評価する傾向があるというものだ。心理学者ロバート・チャルディーニが提唱したもので、例えば販売終了となったお菓子が突然人気を集めるといったケースでもみられる。
サービス停止が不便さをもたらした一方で、ニコニコ動画を利用できない期間や、ニコニコ動画(Re:仮)リリースがむしろユーザーの価値認識を高め、復活後の利用意欲を喚起するというプラスの側面も見逃せない。サービス復旧後には再び多くのユーザーが戻ってくる可能性もありそうだ。
1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手掛けたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレースを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CEOとしてビジネスモデル構築や財務などを手掛ける。Twitterはこちら
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