保管作業をなくせないとしても、その効率を向上させることは可能である。保管に関わる効率向上を「保管効率」と「作業効率」に分けて見ていこう。
まず「保管効率」である。倉庫代などのコストを低減するためには、この「保管効率」を向上させる必要がある。保管効率は単位面積当たりどれくらいのものを保管できているかで測定することができる。
例えば、保管場1平方メートルあたりの在庫量というKPIで管理していくことが考えられる。この数字を高めると、保管場内にはびっしりとものが置かれている状態になる。さらに保管効率を向上させるためには、空間を有効に活用することが望ましい。
そこで、先ほどのKPIを次のように変えてみてはどうだろうか。
それは保管場1立方メートルあたりの在庫量ということになる。つまり「高さ」を活用することで効率を上げようという考え方である。保管場を面積で把握するのではなく容積で把握するのだ。保管場総容積に対して、保管されているものの総容積の割合ということになる。これを保管効率というKPIとし、この数字を向上させていくと、倉庫を有効に活用することにつながる。
しかしこの数字だけを徹底して高めると、保管場内にはぎっしりとものが詰め込まれ身動きが取れないほどになる。「保管効率」だけを考えればこれが望ましい姿かもしれない。しかし、それでは日々の作業効率を著しく低下させる危険性がある。そこで同時に「作業効率」を考えていかなければならない。
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