ビッグモーターによる不正行為は、同社の業績のみならず業界全体の信頼度を低下させた。
台風の目であるビッグモーターは非上場企業であるため、企業価値や株価の変動を外部からは確認できない。しかし騒動前、月間で40億円前後で推移していた同社の経常利益は、2023年4月には7億7000万円にまで落ち込んだ。仮に同社が上場企業であれば、株価は半値どころか3分の1以下になってもおかしくないレベルの影響だ。
ここで気になるのは、ビッグモーター騒動以降、中古車販売業界の勢力図はどのように変化したのかということだ。ビッグモーター騒動で同社が失った月間30億円以上の利益はどこに流れたのだろうか。
今回は「アフタービッグモーター」の中古車販売業界の動向をひもといていきたい。
帝国データバンクの「中古車店 倒産動向」によると、1月から9月までに中古車店の倒産が57件発生し、9月の時点ですでに前年の年間件数を上回っている。
負債1000万円以上の法的整理による倒産のみが集計の対象となるため、いわゆる「街の中古車販売店」といった小規模な事業者を含めると影響はさらに大きいだろう。
次に競合他社の中で、ビッグモーターに次ぐシェアを有しているネクステージの業績を確認しよう。同社は23年11月期の連結決算の業績予想を10月に大幅下方修正した。売上高は前期比10%増の4600億円だが、年初の業績予想では5000億円に達すると見込んでいたため、1割の下方修正となる。
純利益については前期比で約9.3%マイナスの126億円と見込んでいる。売上高が想定を大きく下回ったことで、最終的な利益も大きく押し下げていることが分かる。
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