「間取り図×AI」で進化する物件情報 顧客、不動産会社へのメリットとは?不動産DXのいまを知る(1/3 ページ)

» 2024年07月03日 07時00分 公開

【注目】ITmedia デジタル戦略EXPO 2024夏 開催決定!

生成AIでデジタル戦略はこう変わる AI研究者が語る「一歩先の未来」

【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)

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【概要】元・東京大学松尾研究室、今井翔太氏が登壇。
生成AIは人類史上最大級の技術革命である。ただし現状、生成AI技術のあまりの発展の速さは、むしろ企業での活用を妨げている感すらある。AI研究者の視点から語る、生成AI×デジタル戦略の未来とは――。

連載:不動産DXのいまを知る

不動産業界のDX推進において活用するAI技術や先端技術との親和性、活用方法やその効果、将来性などについて、アットホームラボ代表取締役社長の大武義隆氏が解説する。

 AI技術を用いた不動産DXの可能性を探ってきたこの連載では、これまで物件画像を中心に、AIとの親和性について解説してきました。今回は物件画像の中でも、消費者が物件の特徴を捉えるときに参考にする「間取り図」に着目します。

 昨今、不動産業界ではAIを活用した間取り図の作成や物件特徴を抽出するサービスが増えています。AIを活用することで、消費者が間取り図から得られる情報の量や質の変化、不動産会社側の業務効率化について紹介します。

AIで作成した間取り図から得られる情報の量や質はどう変化する? 写真はイメージ(ゲッティイメージズ)

著者プロフィール:大武 義隆(おおたけ・よしたか)

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アットホームラボ株式会社 代表取締役社長

アットホームに入社後、営業職・企画職などに従事。

2019年5月にアットホームのAI開発・データ分析部門より独立発足したアットホームラボにて、テクノロジー部門を統括し、不動産分野の課題解決に適したさまざまなAIモデルの企画を担当。23年4月より代表取締役社長に就任。


住まい探しにおける「間取り図」の重要性

 間取り図は、住まいを探す上で重要な物件情報です。アットホーム調査(※)によると、賃貸物件・購入物件を問わず、インターネットで住まいを探した際に参考になった情報は「間取り図」がトップでした。

インターネットで住まいを探した際に参考になった情報は「間取り図」がトップ(アットホーム調査)

(※)オンラインでの住まい探しに関する調査 2023 賃貸編オンラインでの住まい探しに関する調査 2023 購入編

 間取り図は、間取りを図面化したもので部屋の配置を示します。居間、寝室、キッチン、浴室などの位置関係や、それぞれのつながりが分かるので、生活のイメージがしやすくなります。

 消費者は間取り図から基本的な情報を把握できます。しかし、住まい探しの初心者や、間取り図の見方に関して知識が浅い人は「バルコニーがリビングと寝室に面しているので風通しが良い」といったような物件の魅力や利点に気付かない可能性があります。

 気付きにくい間取りのポイントを言語化して説明を加えることで、消費者はより物件の魅力をきちんと把握した住まい探しをすることができます。

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