リテールメディアはリテーラー(小売り企業)にとって、マーケティングの打ち手としてより身近になりつつあります。では食品や日用品などのメーカーにとって、リテールメディアはどのようなインパクトを与える存在なのでしょうか。
その答えはリテールメディアの本懐ともいえる「1st partyデータの活用」と「店頭体験の創出」にあります。
過去の連載でも触れましたが、リテールメディアの強みであり、目指すところについておさらいしたいと思います。先述した「1st partyデータの活用」とはすなわち、実購買データを使ってターゲティングを行い、施策の効果検証をするということです。
好感度や興味関心といった心理的要因に関するデータは扱いが難しいものです。例えばアンケートである商品を「購入する」と答えた人のうち、実際に購入したのは10%程度――という話はよくあります。対して実購買データは、消費者が実際にモノを買うという意思決定のデータであるため、より信頼性が高いといえます。
リテールメディアによる施策は、顧客一人一人の認知形成から実購買までをシングルソース・データで検証可能です。加えて、実購買データがリテーラーの持つ会員IDなどにひもづいて蓄積されることで、消費者のインサイトへの解像度はより高まっていきます。つまり、より高い再現性をもった施策を実行できるようになるのです。さらに、施策が終了した後も継続して購買が行われているか、LTV(Life Time Value)の観点でも検証可能です。
実購買データをもとに、広告クリエイティブ別に「どのようなメッセージが効いたか」も検証できます。このように施策の全ての段階において「実際に商品を購入したか」という事実をもとに実行できるため、憶測(おくそく)や仮説が入る余地がありません。
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