続いて「店頭体験の創出」という観点からマーケティングにもたらすインパクトを解説します。リテールメディアは大きく分けると以下の3つに分類できます。
上記3つのうち、フロントメディアが店頭体験創出への重要なキーであり、「リテールメディア3.0」の概念でも重視されています。フロントメディアは消費者の購買意向が高まったタイミングでメッセージを届けられるという特徴を持ったメディアです。消費者の行動を邪魔する要素を最小限にして施策を展開、体験創出へとつなげられるわけです。
フロントメディアにおける体験創出の手段として、北米で重視されているのはサンプリング(商品・ノベルティーなどの無償提供)です。これまでほとんどのサンプリングは、マーケティングファネルでいうところの「比較検討」から「購入」へと移行するプロセスにおいて、明確な実証性をもってアプローチできる手段ではありませんでした。いわば“バラマキ”に近い状態だったといえます。
フロントメディアなら、消費者に自社商品を選んでもらうことにつながる施策を、実購買データという根拠を持って実行できるようになります。加えてサンプリングを手にした来店者が、その後もその商品を使い続けているかという検証も可能になります。この点が、これまでイベントや商業施設などで行われていたサンプリング施策との大きな違いといえるでしょう。
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