ミズノ、初の「小売業向け」スニーカー発売 労災対策で転倒防止の工夫：プロダクトInsights

[ITmedia]

プロダクトInsights

日々リリースされる新しい商品やサービスたち。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。

　ミズノは7月20日、同社初となる小売業向けのワーク用スニーカー「FREEROAD EU 31L」（オープン価格）を発売する。小売業や清掃などの現場で転倒による労働災害が問題化する状況を受け、スーパーマーケット事業を展開するサミット（東京都杉並区）と共同企画した。発売から1年間で、9000足の販売を目標に掲げる。

ミズノ、小売業向けのワーク用スニーカー発売（出所：ニュースリリース、以下同）

滑りにくさとつまずきに配慮

　アウトソールには、水や油がソールの溝にたまりにくい意匠を採用。水や油が散ったフローリングやタイルの床面でも、耐滑性が期待できるという。また、つま先を高くした設計にすることで、つまずきにも配慮した。

アウトソールの意匠（左）、つまずきに配慮したつま先（右）

建設、物流、製造向けの人工皮革を使用

　作業中特に傷みやすいつま先部分には、耐久性のある人工皮革を補強することで、つま先の消耗に配慮。さらにアッパー（底を除いた上の部分）には、建設、物流、製造といった業種向けに展開する「プロテクティブスニーカー」と同様の人工皮革を使用した。

つま先部分の耐久性を強化した

　また、ソールにはランニングシューズに使用している柔らかい素材「U4icX（ユーフォリックエックス）」を採用し、クッション性を向上させた。

ランニングシューズ使用の素材を採用

　「ホワイト×シルバー」「ブラック×グレー×ホワイト」「ブラック×グレー×ブラック」の3色を展開。全国の作業用品専門店や、公式ECサイトで取り扱う。

全3色を展開

　同社は1997年から企業ユニフォームの専門部門を設置し、ワークビジネスの強化に取り組む。企業などからの需要を受け、2016年3月からワークシューズを、2018年2月からはワークアパレルを本格的に展開している。

　2019年4月にはワークビジネス事業部を新設。建設業、運輸業、製造業といった幅広い業種を想定してラインアップの拡充を進めており、2027年度には180億円の売り上げを目指すとしている。