それにしても、なぜカルネヴァーレ社は「アツアツの焼肉弁当」を販売したのだろうか。きっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大である。
ご存じのように、コロナの感染が広まって飲食店は大きなダメージを受けた。同社も焼肉店の売り上げが減少する中で、ワラにもすがる思いで弁当事業を始めることにした。当時、テークアウトやデリバリーを始めた飲食店は多かったが、同社も試しに販売したところ、じわじわと売れ始めたのだ。
「とはいっても、いまはダメでしょ。外で飲み食いできるようになったので、わざわざ家で弁当を食べる人は激減したのでは?」と思われたかもしれないが、そうでもないようで。その後、オンラインでの販売も始めて、直近の売り上げは5億円ほど。数字を見ると「好調」の2文字が浮かんでくるが、鳴坂社長は課題を感じていた。それは「違い」である。
「自社のお弁当の特徴を出すために、肉の種類を増やすなどさまざまな工夫を凝らしてきました。しかし、肉の色は茶色。白いご飯の上に肉を乗せて、野菜を添えてといった具合に違いを出すことが難しいんですよね。そうした状況の中で、何ができるのか。『エンタメ性』を打ち出せないかと考えました」(鳴坂社長)
弁当を食べるだけでなんだかワクワクするような、これまでになかったモノはないか。いろいろ調べていくうちに、米国で「肉を焼ける焼肉弁当がある」ことを見つけた。販売しているのは米国だけでなく、香港、シンガポール、フィリピンにも進出している。であれば、日本でも販売するチャンスがあるのではないかと考えた。
どんな会社が販売しているのか。確認したところ、コロラド州にある段ボール会社。自社の段ボールを使って「弁当箱」をつくっていて、その中に詰める具材は飲食店などが用意する。米国は段ボールの価格が安いということもあって、そうしたビジネスモデルが成立することも分かってきた。
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