生成AIでデジタル戦略はこう変わる AI研究者が語る「一歩先の未来」
【開催期間】2024年7月9日(火)〜7月28日(日)
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【概要】元・東京大学松尾研究室、今井翔太氏が登壇。
生成AIは人類史上最大級の技術革命である。ただし現状、生成AI技術のあまりの発展の速さは、むしろ企業での活用を妨げている感すらある。AI研究者の視点から語る、生成AI×デジタル戦略の未来とは――。
翻訳システムの「DeepL翻訳」を提供するDeepLが、さらにエンタープライズ対応に注力する。同社は7月17日、言語翻訳や文章校正の特化型大規模言語モデル(LLM)を搭載した「次世代言語モデル」の実装を発表した。DeepL Proプランのユーザーに提供する。企業ユーザーの手作業での校正にかかる時間を節約。異なる部門間や国際的な取引において、より効率的なコミュニケーションを可能にする。
次世代言語モデルには、3つの特徴的な機能がある。1点目は、独自の調整をしたLLMを使用することによって、偽情報や誤情報のリスクを下げた。多様なユースケースにおいて、これまで以上の精度で文脈を捉え、より人間らしい翻訳と文章作成を実現させているという。
2点目は独自データの活用だ。インターネット上に公開されている情報を学習するAIモデルとは異なり、文章作成や翻訳のためにチューニングされた7年分以上の独自のデータを活用している。3点目は卓越した翻訳を実現させるため、特別に訓練した数千人の言語専門家を採用して同モデルのチュータリング(学習支援)を実施した。
同社がプロの翻訳者を対象に7月にオンラインで実施した調査(サンプル数や調査期間は非公表)では、Google翻訳よりも1.3 倍、ChatGPT-4よりも1.7倍、Microsoft翻訳よりも2.3倍、DeepLの翻訳出力の方が好ましいという結果が出たという。
次世代言語モデルを搭載した翻訳サービスは、DeepL Proプランのユーザーのみに提供。 英語、日本語、ドイツ語、中国語簡体字の翻訳に対応した。
DeepL創業者兼CEOのヤロスワフ ・クテロフスキー氏は、狙いを語る。
「今回の発表は、企業が求める翻訳の品質向上に対して、新たにLLMを活用し優れた言語AIソリューションを提供するDeepLの最初の一歩に過ぎません。研究主導型企業として成長している当社は、翻訳と文章作成の品質、効率性、適応性の限界を取り払い、そのレベルをさらに向上させるべく、多額の投資をしています。当社の目標は、世界中の顧客が言葉の壁に阻まれることなく、世界規模での成長や事業拡大を実現するために、AI翻訳業界をけん引するテクノロジーで貢献することです」
DeepLリサーチ担当副社長のステファン・メスケン氏も、他社と比較して優位性を強調する。
「次世代言語モデルを他社や当社のクラシックモデルと比較テストしたところ、プロの翻訳者は同じ品質を得るために、Googleは2倍以上の校正を必要とし、ChatGPTは3倍以上の校正を必要とすると回答しました。この結果は、次世代言語モデルが、大量の文書を翻訳する企業の効率性と生産性を根底から改善し、チームメンバーが高い事業価値を伴う作業に集中できることを示しています」
DeepLは5月、3億ドル(約471億、7月19日現在)の資金調達を発表した。資金調達はIndex Venturesが主導し、評価額を20億ドル(3146億円)に引き上げている。6月には、AIを組織全体に拡大しようとする企業ニーズに対応するために設計したエンタープライズ企業向けDeepL(DeepL for Enterprise)を発表。現在、フォーチュン・グローバル500の半数を含む世界10万以上の企業や政府がDeepLを採用している。同社は企業向けの販売にさらに注力していく構えだ。
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元・東京大学松尾研究室のAI研究者、今井翔太氏が「ITmedia デジタル戦略EXPO 2024 夏」に登壇。
生成AIは人類史上最大級の技術革命である。ただし現状、生成AI技術のあまりの発展の速さは、むしろ企業での活用を妨げている感すらある。AI研究者の視点から語る、生成AI×デジタル戦略の未来とは――。
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