2024年の花火大会の有料席は、最安値平均が初めて5000円を超え、花火大会全体で有料席のプレミアム化・高価格化が目立った。有料席の設定がある大会のうち、最も高額な有料席は「2024松江水郷祭湖上花火大会」(島根県松江市・8月3〜4日開催)で販売された「VIPテーブル席」(定員4名)の16万円だった。1席当たり4万円で、専用トイレ、飲食、飲み放題付きの内容となっている。
帝国データバンクは「花火大会では、運営費支出の多くを占める花火の打ち上げコストの増加が続いている。2024年(1〜5月)の打ち上げ花火輸入価格は1キログラム当たり約2200円と、コロナ前の2019年と比べて1.8倍に増加し、依然として高止まりが続いている。また、安全対策に不可欠な会場設営費や警備費用も大幅な予算増を余儀なくされたケースが多く、有料席の値上げや席数の拡充により運営費の増加分を工面する動きがみられた」とコメントしている。
値上げの動きが「モノ」から「サービス」へと広がり、テーマパークやイベントなどコト消費にも、「一部有料化」「高額化」の動きが急速に広がっている。夏祭りのイベントで高額な有料席の販売が浸透しつつあることから、花火大会でも有料席の導入が近年急速に進んでいる。
今年は最安値でも5000円を超える価格設定が多くみられ、最高額で10万円を超える価格帯も設定されるなど、花火大会全体で価格の引き上げが目立った。ただ、有料席の導入が本格化した2023年は知名度やアクセスの良さ、花火の打ち上げ規模などによって高額席の売れ行きに差がみられ、有料化や金額設定の成否は各大会で二極化も進んでいる。
帝国データバンクは「『単価の引き上げ』と『価格設定の妥当性』について、観覧者を含めたステークホルダーに受け入れられる土壌作りが、花火大会の有料化やプレミアム化を普及・定着させるうえでの課題になる」と分析した。
今回の調査は、全国の花火大会のうち、動員客数が10万人以上(平年)の106大会で、有料席の範囲は「個人席」「グループ席」を対象とした。
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