2024年7月9日、JR東日本は自社サイトに「夏季における窓口開設等について」という報道資料を掲載した。お盆期間にみどりの窓口の混雑が想定されるため、臨時の窓口を増やすという内容だ。6つの駅で臨時窓口を開設し、関東エリアの29駅、東北エリアの9駅、信越エリアの6駅で窓口の数を増やす。
「これまでも(中略)可能な範囲で窓口数を増やしてまいりましたが」と前置きしているところが言い訳がましい。それは確かに事実だが、それでも足りなかった。
今回の発表は、就任したばかりの喜勢陽一社長が5月8日の定例社長会見で明らかにした「窓口の削減方針凍結」と「繁忙期の混雑に応じて、臨時に開設できる体制を整える」を受けてのことだ。
みどりの窓口が、お盆期間に増設される。2021年にみどりの窓口を約7割減らすと発表していたが、2024年春にみどりの窓口が大混雑し、利用者の不満の声が高まっていた(出典:写真AC、みどりの窓口(盛岡駅南))
JR東日本「みどりの窓口削減凍結」に、改めて思うこと
JR東日本は5月8日、定例社長会見で「みどりの窓口の削減方針を凍結する」とした。3年前の440から209まで減らしており、2025年までに70%程度に減らす方針だった。しかし混雑解消には、凍結ではなく増やす必要がある。オンライン予約とチケットレスは便利だが、改めて思うことがある。
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インターネット予約のおかげで、新幹線の移動はとても便利になった。交通系ICカードと予約情報をひも付ければきっぷは不要。しかし便利なのは移動が新幹線で完結する場合だけで、在来線を乗り継いだり、一筆書き経路では窓口がないとお手上げだ。ところがその窓口が激減している。
年末年始、なぜ「のぞみ」を全席指定にするのか 増収より大切な意味
JR東海とJR西日本が、ゴールデンウィーク、お盆休み、年末年始の3大ピーク時に「のぞみ」を全列車指定席にすると発表した。利用者には実質的な値上げだが、JR3社は減収かもしれない。なぜこうなったのか。営業戦略上の意味について考察する。
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
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