パリの開会式には賛否両論ありましたが、あれが世界です。フランスが自国の歴史と向き合った結果として「自由」や「平等」を重んじるメッセージがありました。かたや日本の「自由」とは? 「平等」とは? 何なのか。
そもそも男女の数は半々なのに、日本の形を決める政治の場にも、日本経済をつかさどる企業の経営層にも、女性が圧倒的に少ないのは、いったいなぜ?
「なりたがる女性がいない」という声が多く聞かれますが、だったら「なりたがる女性を増やす」には何をすればいいのか、真正面から議論しているでしょうか。
「女性とか男性とか関係なく、資質がある人がなればいい」との意見がありますが、政治家の資質とは、経営者の資質とは何なのでしょうか。
フランスだって、最初から平等だったわけではありません。同じ「人」として、全ての「人」が平等で自由であるべき。そんな国にしたい、変わろう、変わりたいと進んできました。
2011年、フランスでは男女の割合を基準とする性別クオータ制に関する法律が制定されました。取締役会クオータ法では、企業などの取締役会と監査役会に対し、男女の割合をそれぞれ40%以上にするという義務が課されています。2012年には、17年ぶりの社会党大統領に就任したオランド氏が「男女同数内閣」と、「女性の権利省(Ministre des droits des femmes)の新設」を公約とし、実行しました。
女性の政治家が増えることの最大の利点は、等身大の、市民の肌感覚に合った政治になることです。クオータ制や同数制などで、女性議員を増やした欧州や、米国の州などで、その効果が検証され、特に女性、子ども、家族関連の法案が成立しやすくなったと報告されています。
もともと政治参加の低かった女性たちを、強制的にでも候補者として擁立すると、医師、教師、ボランティア、銀行員、主婦などが政治家となる。2世議員などの政治家一族や、経営者などエリート層とは全く異なる視点が、政策に生かされるようになる。すると、もともと政治的関心の低い女性有権者たちの関心も高まり、「古い政治(old politics)」に風穴が開けられるのです。
これは企業などでも全く同じです。女性の「数」が増えれば、多様な価値観の共有が促され、組織の活性化につながっていきます。
意思決定の場に女性が増えれば「仕方ない」とか「変わりっこない」と閉ざされていた「口」が開くのです。
実際、女性管理職の多い企業、女性の政治家が多い地方自治体に行くと、ザワザワしています。悪い意味ではなく、良い意味で、活気があります。自由に意見を言う空気があり、笑いが多い。男性だけの組織では一目で誰が上司か分かりますが、それが分からない。上司と部下の距離感が近く、無駄な緊張感が存在しません。
この「意見が言える」ことが組織の最大のリソースになり得るわけです。
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