「きもい」と入力したらイエローカード SNSでの暴言を抑止 スマホ用日本語入力アプリ「Simeji」が新機能を追加高校生が提案

» 2024年08月16日 11時45分 公開
[岡安太志ITmedia]

 スマホ用日本語入力アプリ「Simeji」を提供する中国テック企業バイドゥは8月15日、SimejiにSNSトラブル軽減を目指した新機能を追加した。追加した機能は「注意喚起機能」と「表現の提案機能」の2つ。同機能は函館西高校(北海道函館市)の生徒と共同開発した。

Simejiが新機能を高校生と共同開発(編集部撮影、以下同)

 SNSでのコミュニケーションが普及した昨今、テキストでのコミュニケーションがトラブルに発展する事例が多く生まれている。こうした現状を課題視した函館西高校の生徒は、バイドゥに新機能のアイデアを直接提案。バイドゥはこの“アイデア持ち込み”を受け、新機能の開発に着手した。

共同開発に当たって行ったアンケート。世代を問わずテキストコミュニケーションに不安を感じていることが分かった

 「注意喚起機能」では、「きもい」「きえろ」といった攻撃的な語句を入力した際、画面に「誤解を招く恐れがあります」という注意文を表示させる仕様とした。「表現の提案機能」は、「なんでくるの?」「だる」といった受け取り手にネガティブに取られやすい語句を打ち込む際、「なんで来てくれるん?」「大変だね」といった変換候補を提案する仕様だ。

注意喚起機能の例
表現の提案機能の例

 それぞれの機能が対象とする語句は、函館西高校の生徒及びSimejiの一般ユーザー向けにアンケートを実施し、募った。

対象とする語句の一覧

 バイドゥのプロダクト事業部責任者である古谷由宇氏は、今後もニーズに応じて対象語句を追加する方針だとした。その上で、SNS上のトラブルを回避するためには「テキストを送信する前に思いとどまる時間があることが重要。Simejiはその役割を果たせるのではないか」と話した。

バイドゥ プロダクト事業部責任者 古谷由宇氏

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.