夏の旅行意向、20代で高まり 予算や国内外で人気のエリアは？

[ほしのあずさ，ITmedia]

　夏休みシーズンに突入したが、各年代の旅行意向はどうだろうか。円安傾向は落ち着きを見せつつあるが、その影響は旅行の消費に表れているのか。

　インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供するヴァリューズ（東京都港区）が実施した「今夏の旅行予定に関する消費者アンケート調査」によると、2023年と比べ、全体の旅行意向に大きな変化はない。ただし今年の特徴として、20代女性の旅行意向の高まりが目立つ結果となった。

夏の旅行、人気のエリアは？（提供：写真AC）

　2024年6〜9月にかけて、宿泊を伴う旅行を予定・検討している人の割合は33.0％だった。2023年の同調査では32.8％で、昨年から大きな変化はない。

　しかし性年代別に見ると20代女性が41.3％と、2023年の35.5％より5.8ポイント高まっており、43.1％が「旅行の予定・検討あり」と回答した20代男性とともに4割を超えた。

　4割以上は20代男女のみで、若年層の旅行意欲の高さがうかがえる。旅行先としては、国内・海外ともにどのエリアが人気なのだろうか。

2024年夏季旅行の予定・検討の有無　性年代別（ヴァリューズ調べ）

国内外で人気の旅行先は？

　旅行を予定・検討している人に予定先を尋ねたところ、1位は「東アジア（中国、韓国、台湾など）」（5.4％）だった。2位は「欧米（米国、カナダ、ヨーロッパ諸国など）」（4.9％）、3位に「東南アジア（シンガポール、タイ、ベトナムなど）」（3.7％）と続いた。

旅行予定先ランキング・海外（ヴァリューズ調べ）

　国内は「関東地方」（17.5％）、「中部地方」（15.1％）、「近畿地方」（13.7％）が目立って多く、都道府県別では「北海道」（8.9％）が最多だった。次いで「東京都」（6.4％）、「大阪府」（4.5％）、「沖縄県」（3.6％）がランクインした。

2024年夏季旅行予定先ランキング・国内（ヴァリューズ調べ）

　予定・検討している旅行について、どのように情報収集しているのか。国内は「宿泊予約・旅行情報のサイト・アプリ」が40％近くを占めているのに対し、海外への旅行者は「YouTube」を筆頭に、「Instagram」「X（旧Twitter）」「TikTok」などのSNSにて情報収集をする人が多いことが分かった。

　同社は海外旅行について「諸々の勝手がイメージしにくい上に予算感が上がるため、SNSや口コミで細かく情報を集める人が多いのではないか」と推測している。

　旅行の予算平均は、国内が「10万1314円」、海外が「33万848円」、全体平均が「13万8268円」だった。昨年の全体平均は約12.3万円で、今年は1.5万円ほど増額している。

　内訳を見ると昨年の海外旅行は今年とほぼ同額の「33万586円」だが、国内旅行は「9万5130円」。1年間で5000円以上増えており、国内でお金を使う人が増えていることが読み取れる。

旅行の予算感（ヴァリューズ調べ）

　「観光」と掛け合わせて検索されたワードを、消費者のオンライン上の行動ログデータを活用して調べたところ、中高年男性は「ランキング」、中高年女性は「日帰り」「バス」などと合わせて検索していることが分かった。

　一方、若年層女性は「韓国」や「子連れ」といったワードと検索しており、韓国美容やK-POP、子連れで楽しめる旅行などへのニーズの高さがうかがえる。

　本調査は、全国のヴァリューズモニター（20歳以上男女4万5818人）を対象に6月27日〜7月4日に実施した。