しかも「7NOW」は基本的にセブンで扱っている商品を届けている。コンビニの棚に並ぶ無数の飲料や総菜、スナック菓子、スイーツと組み合わせられる。サイドメニューの豊富さでは圧勝なのだ。
仮に今回の「閉店ドミノ」を乗り越えて体制を整えたドミノ・ピザが撤退したエリアに再進出を果たそうと思っても、そこには既にセブンがいて「7NOW」を着々と広めている可能性が高い。ということは、その商圏内の客はセブンの安くて速いピザと、豊富なサイドメニューを堪能しているということだ。
ここを切り崩していく、というのはドミノ・ピザからすればかなりの至難の業だろう。
首都圏を中心に出店攻勢を仕掛けるイオングループの「まいばすけっと」が、商圏内のコンビニ客を奪うことから「コンビニキラー」の異名を取っているが、今度はセブン側が「7NOW」を武器に、「宅配ピザキラー」になるかもしれないのだ。
そこに加えて筆者が、ドミノ・ピザの「2000店舗」が厳しい道のりだと考える理由がもう1つある。いろいろな専門家の方たちが「日本のピザ市場は今後も有望」ということをおっしゃっているが、言われているほど右肩上がりで成長をしているような世界ではなく、かなりシビアな競争を強いられるレッドオーシャンなのだ。
東日本電信電話(NTT東日本)が公開している「タウンページデータベース」によれば、全国のピザ店の登録件数は2013年に2377件だったが、毎年減少を続けて2022年には1840件にまで減っている。ピザ店自体は長期的な減少トレンドに陥っている。
新規プレーヤーの参入や商品数が増えて「市場規模」が大きくなっていることは間違いないだろうが、それはあくまで「コロナ禍」のような特需が後押しになっている可能性が高い。人口減少で消費が冷え込んでいく一方の日本では「瞬間風速的なバブル」かもしれないのだ。
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