“閉店ドミノ”の「ドミノ・ピザ」が、さらに「苦戦」しそうなワケスピン経済の歩き方(5/7 ページ)

» 2024年08月28日 05時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

宅配ピザ側にとって本当に脅威なのは

 北海道を例に説明しよう。ドミノ・ピザは先ほどのようなコロナ禍のフードデリバリー特需を受けて、北海道を果敢に攻めていた。2020年から札幌を皮切りに、旭川、苫小牧、函館、帯広、釧路と立て続けにオープンさせた。

 しかし、特需が終わったことで店がどんどん整理されている。旭川は4店舗→3店舗、函館は3店舗→1店舗、帯広は3店舗→2店舗、釧路は2店舗→1店舗になった。

 宅配拠点が消えるということは、それだけ宅配エリアが小さくなっていくので、ライバルのピザーラやピザハット、ローカルの宅配ピザ店に取られていく。しかも、それだけではなく、そこに先ほどの「セブンピザ」も入ってくるのだ。

 この新参者の強みについて、メディアは「安さ」や「早さ」を挙げることが多いが、実は宅配ピザ側が本当に脅威に感じているのは、「サイドメニューの豊富さ」だ。

 北海道はコンビニ激戦区として知られており、この人口減少の日本においてコンビニの店舗は増加傾向にあるほどなのだ。そのため、「7NOW」も全国に先駆けて北海道限定商品を宅配する。

 「からあげ(ザンギ)10個入り」(907円)、「おかずコロッケ北海道産ジャガイモ使用3個入」(291円)、「三元豚の厚切りロースカツ」(673円)、「ギザギザポテト6食分(盛盛)」(991円)、「みらいデリナゲット20個入り(プレーン/チーズ)」(1057円)である。

「からあげ(ザンギ)10個入り」(出典:セブン‐イレブン・ジャパンのプレスリリース、以下同)
「みらいデリナゲット20個入り(プレーン/チーズ)」

 ピザ単体の勝負なら、やはりドミノ・ピザなど大手チェーンの「注文を受けてイチからつくるピザ」のほうに軍配が上がるだろう。しかし、サイドメニューも含めた総合力となると、セブン側にもこれだけのメニューがそろっているので、かなりいい勝負になるのではないか。

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