動画コンテンツビジネス市場が好調 2023年度はライブ配信中心に2ケタ成長

» 2024年09月27日 05時00分 公開
[秋月かほITmedia]

 動画コンテンツビジネス市場が拡大している。矢野経済研究所(東京都中野区)は、2023年度の同市場規模を9070億円(前年度比110.5%)と推計。2024年度の同市場規模は9880億円(前年度比108.9%)と予測した。

photo 動画コンテンツビジネス市場に関する調査結果(出所:写真AC)

 本調査における動画コンテンツビジネスとは、動画制作サービス、動画編集ソフト、動画配信プラットフォーム、ライブ配信アプリ、アニメ制作の主要5市場を対象としている。総市場規模は主要5市場を合算し、算出した。

photo 動画コンテンツビジネス総市場規模推移(主要5市場計)(出所:プレスリリース、以下同)

 市場が好調な要因としてSNS上に動画コンテンツが増えたこと、副業や趣味を目的とした動画編集ソフトの需要が高まっていること、ライブ配信アプリの認知・利用が広がっていることなどが挙げられる。

 2023年度はこれまで視聴機会が少なかった若年層以外の世代でも、動画コンテンツを視聴する機会が増加。特に50〜60代の年齢層でコネクテッドテレビ(インターネットに接続されたテレビ)などを通じた視聴機会が増加し、市場が活発となった。

 2023年度に特に成長が目立ったのが、ライブ配信アプリだ。前年度比112.5%の720億円となり、従来は一部のアーティストによる大手動画配信サイトでの配信、プロモーション目的のミュージックビデオ配信のみにとどまっていたところ、現在はライブコンテンツのデジタル活用(配信)が、本格的な収益獲得を目指す取り組みとして急速に進んでいることが背景にある。

 また、ライブ配信が新たなコミュニケーションの形として定着したこと、新規ユーザーも右肩上がりで推移していることから、順調に裾野が広がっていると同社は分析している。

photo 動画コンテンツビジネスは成長を継続する見通し(出所:写真AC)

 5〜7月に、動画コンテンツビジネス参入企業、その他関連企業、関連団体等を対象に調査した。調査方法は矢野経済研究所の専門研究員によるオンライン含む面談、電話・メールなどによるヒアリング調査と文献調査を併用した。

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