一方で、従業員の法的知識向上に懸念を示す人事担当者もいるという。例えば、退職後に給与を請求すれば会社側は7日以内に支払う必要があるなど、企業側にとって知られたくない情報も含まれるためだ。
企業と直接のやりとりが発生する退職代行では、サービスの認知度が上がった今でも、一部の企業側から「絶対に退職を認めない」といった否定的な反応が見られる。しかし同社は、退職に関する正しい知識が労働者の権利を守るセーフティネットとして機能する、と考えている
アルバトロスは、退職相談のデータを基に、今後は企業の離職率低下に向けたコンサルティングを展開する予定だ。すでに各方面から相談を受けていて、その多くが若手従業員の離職に悩んでいることが分かってきた。
さまざまな話を聞いていく中で、同社は「退職金制度」の有無にヒントがあると考えている。退職代行サービス利用者のうち、退職金制度がある会社で勤めていた人はわずか1割ほど。つまり、退職金制度があれば、離職率の低下につながる可能性があるということだ。
中小企業では退職金制度がない場合も多いが、このようなデータを提示することで、制度導入のきっかけになるかもしれない。「人手不足が続く中で、もし応募者が増えるのであれば、退職金制度を導入する価値は十分にある」(谷本氏)
アルバトロスが掲げる最終目標は、働きやすい社会の実現だ。谷本氏は「退職代行で認知度を上げ、一時的に離職者を増やすことで、企業側の働きやすい環境づくりを促す」と語る。
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