会社のお金を扱うため責任が重く、高い専門性を求められる経理業務。中小企業では少人数で経理業務を担っているケースも多い。そんな経理担当者は、日常の業務にどのような悩みを抱えているのか――。財務・会計システムを開発するミロク情報サービス(東京都新宿区)が調査した。
調査では362人から回答を得た。このうち約半数が、従業員数100人未満の企業に所属。一般的に、従業員数が99人以下の企業では、経理担当者は1人または2〜3人、従業員数が100人以上の場合には経理担当者2人以上というケースが大多数だという。
経理担当者の悩みとして最も多かったのは「業務の属人化」で50.0%に上った。「業務の煩雑さ」(43.1%)、「業務量の多さ」(32.0%)が続いた。
「業務の属人化」については、経理担当者の人数にかかわらず多くの担当者が挙げた。企業の規模に関係なく、多くの経理担当者に共通する悩みであることが分かった。
回答者からは、経理担当者の人数が限られているため職務分掌ができていないという「人手不足や採用の問題」、活用できるマニュアルが作られていない、指導にばらつきがあるといった「ルールの整備の問題」、判断力を要する難易度の高い業務は一部の人しか遂行できないという「担当者の力量の問題」に関するコメントが多く寄せられた。
経理業務に関するスキルアップについても尋ねた。スキルアップのためにかける費用は、「自身で費用を出す」が最も多く37.0%に上った。また、スキルアップのための時間については「業務時間外に時間をとる」が最も多く50.6%を占めた。
経理業務に関する情報収集の手段では、77.3%が「インターネットを検索する」と回答。その他「顧問税理士・公認会計士に聞く」(56.4%)も上位となった。
今後身につけたいスキルについては「税法知識」が最多で46.1%。「会計知識」(35.9%)、「ITスキル」(35.6%)と続いた。
今後取り組みたい業務として最も多かったのは「経営分析」で30.1%に上った。「中長期計画」(23.2%)、「管理会計」(17.4%)と続いた。いずれも、日常業務よりも一段上の広い視野を要する、将来を見据えた活動が上位となった。
調査は6月1〜30日にインターネットで実施した。
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